捜査一課が手に負えない特殊な事件を捜査するため、公安部が設立した未詳事件特別対策係、通称“ミショウ”。ミショウには、IQ201の天才であり変人の当麻紗綾(戸田恵梨香)と、警視庁特殊部隊(SIT)出身で叩き上げの瀬文焚流(加瀬亮)がいる。当麻と瀬文は、時間を止める、人の心を読む、未来を予言するなど、凡人にはない特殊能力(SPEC)を持つ犯罪者に対しても、SPECを逆手に取ったトラップを仕掛け、息詰まる攻防を繰り広げる。そして、死闘を重ねるうち2人の間には信頼関係が生まれ、最大の敵を倒すことに成功したのだが…。1年後、休職中だった瀬文がミショウに戻ると、そこには係長待遇に降格した野々村(竜雷太)に代わり、係長に任命された市柳(でんでん)と組織犯罪対策部から来た吉川(北村一輝)の姿があった。数日後、白昼の街中でマシンガンによる殺人事件が起き、女子高生が一人、生存しているという。しかもその女子高生は、「犯人は全身黒づくめで、瞬間移動して逃げた」と証言。撃ち合っていたらしき当事者の写真の中には、サトリ(真野恵里菜)の姿があった。当麻は、スペックホルダーの奪い合いの抗争が白昼堂々と行われた、と分析。早速その生存者・久遠望(谷村美月)が入院する警察病院へ向かう。心の奥底に本音を隠し続けている当麻。その心の迷宮を知り、本来の当麻に戻そうとする瀬文。ふたりに新たな絆が結ばれようとしていた…。
公式より。
ドラマシリーズの後の話で、起承転結の承に当たる部分です。
ちょっとあらすじ長いですが、簡単に書くと、逮捕されたはずの『サトリ』が謎のスペックホルダー『黒男』に襲われ、その現場にいて犯人を見た少女が狙われます。
犯人の狙いは保護されているスペックホルダーたちらしく、他の勢力も加わり、スペックホルダーたちの争奪戦が繰り広げられるという感じのストーリー。
前述の通り、まだ承の段階なので、テレビシリーズ同様、スペックを持たない人々と、スペックホルダーの犯罪者との闘いという全体像は変わりません。
直接のストーリーは、謎のスペックホルダー『黒男』との対決なんですが、複数の組織や、登場人物たちの思惑によって、話がどんどん絡み合っていく。
特に『津田』が絡むと、誰が『津田』でもあり得てしまうので、本当に推測しながら作品を楽しむタイプの人は混乱しっ放しになるかもしれません。
テレビシリーズはなんだかんだ言っても超常現象有りの推理ものだったのでなんとか推測出来ますが、このまま進むとスペックを使ったバトルものになってしまって、推理の余地はなくなるのかも。
また、今回は様々なスペックがあることを描いた作品でもあり、どんなくだらないスペックも、使い方によっては役に立つんですよね。まさか、ブブゼラを吹いて、相手を瞬間移動させるスペックがあんな方法で防げるとは思いませんでした。
堤作品特有の他の作品を知らないとわかりづらい小ネタが多いという難点があるものの、
ドラマから映画にシフトするのには充分に成功した
作品だと思います。
本作の見どころは、個人的には目撃したメガネ少女の谷村美月の演技じゃないかと。
個性的な役が多い谷村ですが、今回は輪をかけて濃い。【SPEC】シリーズ自体、演技力の高い俳優が多いので、演技の上手い下手は置いといて、谷村という女優がいると知らしめた印象。
谷村演じる久遠の言動がチープなので素人っぽく見えますが、逆にそう見えることが凄いんじゃないかと思わされます。それくらいいい味を出してます。
それにしても、北村一輝はどこに向かってるんでしょうね。
そういえば、餃子屋の保険金かけたがる嫁ですが、スペックホルダーとして保護されてました。作品中では描かれてないんですが、殺した相手がロボットになるという謎スペック。
だから餃子屋の店主はロボットになってたんですね。ってことは見習いロボも……?
オススメ度(10段階)……★★★★★★★
(ネットでは満点くらいの高評価されてます)
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