【SPEC~結(クローズ)~ 漸(ゼン)ノ篇】

時を止められる無敵の超能力者ニノマエ(神木隆之介)との激しい戦いに勝利し、当麻(戸田恵梨香)と瀬文(加瀬亮)は虫の息で病院に搬送される。一瞬二人の距離は近づいたかのようにも思えたが、同じ頃、ある人物は着々と世界の終息に向けて準備を進めていた。やがて特殊能力者たちが世間を騒がせ始め、当麻の中のSPECがついに覚醒し……。

シネマトゥデイより。

起承転結の結なんですが、本作は前後編の2部構成です。そして、オープニングは【天】同様、雅が荒廃した世界で野々村係長からの手紙を読むところから始まります。

というか、結局、【天】ではそういう状況まで進まなかったので、あのシーンが必要だったのか謎でたまりません。

そして、説明があるとはいえ、専門用語が多過ぎて、

それなりの理解力がないと内容を追えないんじゃないか

と心配してしまう内容になってしまいました。

特に何かを吹っ切ったのか、完全にJOJOネタをぶち込み過ぎて、単に堤ファンとか、SPECファンなだけだと元ネタがわからないという優しさの無さが垣間見えます。

実際のところ、堤ファンは元ネタをわざわざ調べて見直すんでしょうけどね。とりあえず、耳にしたから観てみようという層には向かないと思います。

個人的にはJOJO好きなのでわかりますが、『シンプルプラン』の1要素であるウイルスの奪い合いに現われた香椎由宇演じる城旭斎浄海。略してJOJOがJOJO立ちするシーンなんて、漫画読まない人には何が面白いのかわからないと思います。

ストーリー自体はスペックホルダーを抹殺するためのウイルスをめぐる争いなので、テロ映画やテロドラマ等であるウイルステロと根本は変わらないので、その辺りは気になりません。

ただ、【天】で『津田』やニノマエたちスペックホルダーたちは全員死亡しており、ニノマエのクローンも向井理演じる白い服の青年『ミライ』に消滅させられています。

『シンプルプラン』を実行している国際会議の人間も日本代表の『卑弥呼』が『ミライ』と同じと思われる力で消滅させてしまいます。御前会議や国際会議は影武者が出席していたり、次の代表が参加するのでその存在がなくなることはなさそうですが。

敵がさらに巨大な敵によってあっさり消されるというのは良くありますが、あまりにもチート過ぎる能力だとどうしようもありません。

特にこの【SPEC】という作品は、根柢の部分にスペックを持たざる者がスペックホルダーに抗うという思想があったはず。

それがスペックなしに抗うことが不可能となってしまっては、テレビシリーズはなんだったのかという話になります。

本作でも何の能力を持たない割に『シンプルプラン』に迫る野々村係長は本当に素晴らしい。

【DEATH NOTE】に出てきて、たった1日で『DEATH NOTE』の内容を丸写しするという人間離れした仕事を成し遂げた捜査官ジェバンニ並の能力です。

ゴリ押しのゴリさんと呼ばれてたとは思えないくらい緻密で、駆け引き上手なおかげで今回も大活躍しています。

瀬文にしても、本来なら気合と根性で対抗するはずなんですが、今回は完全に当麻の付け合わせ。

作品としては面白いけど、これは果たして【SPEC】なのかと疑問を感じます。

前後編の区切りも変なところで終わるため、前編を見たら後編を見ないと本当に意味がわからないという作り。

自分はメディアで観たからいいですが、劇場で観た人たちには厳しいんじゃないですかね。続編を観ようという気が失せるだろうし。

『やむ落ち』にすれば、前後編にせずに済んだんじゃないかという印象でした。

オススメ度(10段階)……★★★★★
(補完するためだけに観る作品)

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