研究者と共にアルプス山脈で気象調査を行っている観測基地の管理人ヤネク。
ある日、観測機器故障のため山深くに向かった彼らは、氷河の一角が紅く染まっているのを発見する。
しかし変異した氷河の調査を開始した矢先、狂犬病に感染したらしきキツネに愛犬が襲われてしまう。
治療のため基地に戻ったヤネク達だが、突如彼らに未知の生命体が襲いかかる。
何とか生命体を撃退するも、ほどなくして紅く染まった氷河を分析した研究者の口から驚愕の事実が告げられる。
彼らを襲う生命体の正体とは! ?果たしてヤネク達は生き延びることができるのか! ?
公式より。
進化する寄生生物もの。
観測基地の管理人と研究者たちのグループと、視察にくる大臣たちが巻き込まれる展開です。
本来なら気象の調査をする基地なので、大臣たちを普通に歓迎してやり過ごすつもりだった研究者たち。
しかし、ヤネクが発見した赤い氷河の話を聞き、研究者の女性ビルデが大興奮。
すぐサンプルをと言い出しますが、おかしなものがいるのは間違いないから、明日にするようになだめられます。
そもそも、ヤネクは愛犬がやられているので、心配でたまりません。
翌日、赤い氷河は忽然と消えていて、ビルデは文句を垂れますが、とりあえずサンプルを採取。
立ちションをしていたヤコブは毛の生えたダンゴムシのようなものに襲われますが、撃退します。
調べた結果、どうやら寄生した生物が体内でDNAを取り込んでは合成、成長しているらしいことが判明。
毛の生えたダンゴムシは、キツネがダンゴムシを食べたためにできたものってことに。
ヤネクは大臣のガイドをしている元恋人のタニアに理由をごまかして、来ないように忠告。
しかし、狂犬病のキツネがいるなんて理由で大臣たちを返せません。
結局、観測基地に向かうんですが、その途中、女性を追っかけてきた非行型の合成生物に襲われ、護衛が死亡。
他の人の感想を読んでみても、この女性がなぜここにいるのかわかりません。
記者の男性がはぐれますが、迎えにきたヤネクとともに、なんとか観測基地にたどりつきます。
謎の女性は怪我しているし、周囲には怪物のような生物がいるので、助けを呼ぼうにも衛星電話がないと電波が届かない。
大臣に寄生生物のことを隠ぺいしたい研究者たちは衛星電話を隠そうと、ビルデと男性研究者のファルクが山小屋に。
寄生生物に襲われるんですが、バカな理由でビルデが死亡。
ファルクが観測基地に帰ってきますが、肝心の衛星電話を持っているビルデのため、ヤネクとタニア、ファルクが探しに行くという展開。
アイデア自体は面白いし、テンポも溜めがないとも言えますが、次々と展開していくので、飽きるってことはないと思います。
ただ、予算の都合もあるんでしょうけど、キモとなるはずの寄生生物のパターンが少ないのがもったいない。
せめて2桁くらいは出して欲しかったところ。
ただ、後半の虫に襲われるくだりは面白かったと思います。
あとの特筆すべき点としては、リアルなのかもしれませんが、出演陣の年齢の高さ。
主人公のヤネクをはじめ、おっさん、おばさんばっかりです。
若いかなと思ったのは、おばさん大臣に同行してる記録係の女性くらい。
もう少しキャストが若ければ、アクション要素が増えたのかも。
もっとも、もしこの作品がアクション映画だったら、
主役は間違いなくおばさん大臣
ですけどね。
むしろ、見てもらえばわかると思いますが、おばさん大臣が有能過ぎて、ヤネクよりも主人公っぽいというか、ヒーローっぽい言動が多かったりしますし。
いまだかつて、バナナを食べながら泣く女性が出てきたSFを見たことがありませんが、その女性に食べるか泣くかどっちかにするようにキレる人物なんて想像もしませんでした。
ちょっと、【進撃の巨人】の芋女のくだりを彷彿とさせます。
全体的には、現状だとB級にも満たない劣化版と言うしかないですが、雪山版【遊星からの物体X】になれた可能性を感じた作品でした。
オススメ度(10段階)……★★★★★
(B級映画好きにはオススメしたい作品ですが、一般向けとなると難しいので間をとって。)
コメント