ある日、上田の研究室に山奥の一夜村から西園寺誠一という青年がやって来る。上田は誠一から村に残る言い伝えを迷信だと証明してほしいと頼まれ…。
「キネマ旬報社」データベースより。
物理学者の上田と、天才マジシャン山田奈緒子が謎を解く【TRICK】のテレビスペシャル第2弾。何度も観ているはずなのに、全然記憶に残っていないため、再視聴。
好きな相手の身体の一部を包んで、契り契り岩に結ぶと恋愛が成就するが、振られると3日以内に死が訪れるという言い伝えのある一夜村。
青年団が村おこしの一環として、封印されてきた風習を復活させると、次々と西園寺誠一を好きだという人物が子守唄の内容に合わせて殺されていくという展開。
子守唄を歌う怪しい人物として、浅野ゆう子が出てくるんですが、【SPEC】を観た後だと、マダムイン&ヤンを思い出してしまい、堤監督って同じ役者をやたらと使うよなって思ってしまいます。
あらすじや前述の展開から察する通り、横溝正史の【悪魔の手毬唄】のオマージュのような作品で、映像もいつもの【TRICK】とはちょっと違う雰囲気になっています。
最大の違いは、
殺される人物の映像が気持ち悪い。
【ケイゾク】や【SPEC】を含め、堤作品の多くって死体が死体っぽくないと思うんですよね。大抵、血色のいい死体か、ふざけた死体とかで。
ところが、何故か今回の死体は血の気がなく、青白い。特に2番目の死体の顔がアップになるシーンはかなり気持ち悪い。
別にグロいわけではなく、純粋に気持ち悪い。
ところどころ、いつものような小ネタをはさんでくるものの、やっぱりいつもより少なめ。
というか、ストーリーそのものが横溝パロになっていて、全体は【悪魔の手毬唄】、ひとりめは【悪霊島】、ふたりめは【犬神家の一族】、3人目は【悪魔の手毬唄】に見せかけて【本陣殺人事件】ってことになるのかな。
設定は3人娘が【獄門島】、過去の西園寺家と東崎家の因縁は【悪魔が来たりて笛を吹く】、医者が知っている事情が【八つ墓村】。
オチも完全に【悪霊島】です。もしかしたら、3人が求婚してくるのって【女王蜂】なんですかね?
他にも横溝ネタが細かいところにまで散りばめられているので、いつものような小ネタが少ないのはそのためなのかも。
先に横溝作品を観た方がいいのか、こちらを観てから横溝作品を観た方がいいのかは何とも言えない微妙な作品ですが、横溝作品を観てからの方がネタがわかって面白いと思います。
オチがわかっちゃいますが。
オススメ度(10段階)……★★★★★★★
()
TRICK 新作スペシャル2 DVD2枚組
コメント