のどかな地方都市舞坂町で旅行会社に勤める北原(江口洋介)は、ある日、突然舞坂町ととなり町の森見町が戦争を始めたことを知る。だがその後も表立った変化は見られず、彼も相変わらずの日々を過ごしていた。そんなとき、舞坂町役場対森見町戦争推進室の香西(原田知世)という女性から辞令交付式の件で電話がかかってくる。
シネマトゥデイより。
このレビューを書くにあたって、他人のブログやレビューを見てみたら、やたらと酷評されていてビックリ! 想像するに原作を読んだことがある人には確実に拒絶されている感じ。
キャストがイメージにそぐわないということでなく、戦争ものなのに派手なアクションもなく、メリハリが感じられず、わけがわかわらないものになってるということらしい。
自分の住む場所が戦場となっているはずなのに、実際には誰と誰がどこで戦っているのかもわからない。でも、確実にどこかで戦っている。
自分は普通の会社で普通に働いていて、戦争に関わることになっても実感が感じられず、役所から与えられた報告書をあげるだけの日々。
役所にしても、まず戦争ありきで、戦争でなければならない理由もなく、自分で考えることもなく、何かのルールに触れないかだけで物事を決めてしまう。
身近な人に犠牲が出ても、その結果だけが与えられているようで、まとわりつくような気持ち悪さだけが感じられる。
まるでライトノベルのような内容なので、深く感じないみたいですが、規模が小さいだけで現実とさほど変わらないんですよね。
実際、現在の日本でも戦争ではないというだけで、国会等でなんだかわからない法律が決定されたり、災害が起きてもどこかテレビの向こうの出来事のように感じたり、そんなことってあると思います。
起きている現実もわからず、考えた末に決めたことでなく、現場にいない人間が決めたことになんとなく流されていく。
作者や監督が伝えたいテーマの真意は別として、そういった現実の気持ち悪さ、それを変えるのは個人が自分で考えて行動すること。そんなテーマが感じられます。
ただ、ヒューマンドラマや、アクション、ラブストーリーとして観ると、メリハリがないため、つまらない希薄な作品に感じるかもしれません。
もし、観ることがあったなら、フェイクドキュメントや、再現ドラマみたいなものとして観た方が良いと思います。
オススメ度(10段階)……★★★★★★
(はっきりと好みがわかれる作品)
↑予告編
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