【ネパール人は自殺しない】

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ネパール人留学生のマハルジャン・ラズクマルが ネパール人留学生のゲムス・ロビンの自殺について追った 長編ドキュメンタリー映画。

告知文より。

インドのネパールから愛知県にある同朋大学に留学に来ているマハルジャン・ラズクマルによるドキュメンタリー。

いつもの映画への感想とは違い、あくまで学生映画として観た感想なので、そこは踏まえて読んでください。

タイトルからのイメージは、マハルジャン・ラズクマルが頑張る姿を描いていそうな印象を受けますが、実際は東京で自殺したゲムス・ロビンについて調べていくという展開。

インド人に限らず、外国人の留学生全般に言えることですが、昔のアメリカに移住して成功を掴むサクセスストーリーを信じて、日本に来るアジアからの留学生は増えていっています。

その理由として、コンサルタントに日本へ行けば稼げると言われて留学してしまい、稼げるようになるまでにどれだけの出費がかかるのかは伝えられないというところも大きいんでしょう。

人間は誰でも自分に利益があることを信じる反面、認めたくないことは信じないという心理が働いてしまうものですし。

自分自身は結婚しているため、ホームシックにかかることはあっても、絶望までは感じている様子の無いラズクマル。

支援団体や講師に話を聞いても、何故ネパール人の自殺が増えているのかはわからない。そんな彼は、自分の表現方法の1つである映像でその疑問を追いかけるにことにしたらしい。

自殺したロビンの日本での葬儀が開かれることを知り、東京に向かい、ロビンの友人や家族にインタビューするが、結婚の予定もあったくらいで何故自殺をしたのかもわからないとのこと。

むしろ、鳥インフルエンザで大量の鳥を処分することになった実家の方が大変そうです。

しかし、ロビンの従兄や友人たちの協力を得て、様々な人々にインタビューをしていくと、ロビンには女性の問題や、結婚についての悩み、生活していく上でのお金の問題が大きくのしかかっていたのがわかります。

特にお金の問題は友人との仲を破壊することにつながってしまい、ロビンに嫌悪感を抱いている人もいました。

そういったインタビューが延々と続くため、いわゆる娯楽的な映画ではなく、どちらかと言えば、テレビ向けのドキュメンタリー番組に近いと思います。

留学生が自分の訴えたいことを伝えるために撮った作品としては、充分に面白いテーマだし、日本人としては見づらいというのも留学生の作品なのでしょうがない部分かなという印象。

タイトルは本当にこれで良かったのかという疑問はありますが、ドキュメンタリーとしては生々しい分、メッセージ性は強いでしょう。

実際、日本に留学を考えている外国人は、夢を持つことは大事ですが、リスクとして観ておいた方がいいと思うし。

インドにフジテレビのNONFIXのような枠があれば、扱ってもらえるといいかもとも思います。

まあ、あくまでも学生作品としてのレベルでの話なので、ビジネスとして上映したり、お金を稼ごうと思ったら、このままではダメだと思います。

確かにラズクマルからのメッセージとしては面白いんですが、多分この作品には見ている側が存在していない。

厳しいことを言ってしまえば、言いたいことを言っているだけで、相手に伝えようという気持ちが伝わって来ないんですよね。

もちろん、ラズクマルとしては考えているんだとは思います。というか、思いたい。ただ、それが演出につながっていないので、わかりにくい。

自分ならこう撮るになってしまうので、あんまり書くべきではないと思うんですが、例えばインタビューシーン。

相手がとにかく語っているんですが、質問がわからないので、ただの独り語りになっています。ワイドショーとかでよくありますが、何を聞いたのか質問をテロップで入れるだけで全然違うと思います。

また、場面転換がいきなり過ぎて、わけがわからない。この辺は好みにもよるんでしょうけど、海外ドラマを見て、場面転換の区切りを置いた方がいいと思うんですよね。

【LAW&ORDER】みたいに暗転して、文字が出てから次の場所とか、ああいう演出があった方がいいんじゃないかと。

いきなり何処かに来たけど、何処で、この相手は誰なのかっていう状況は、ドキュメンタリーでは避けた方が良いように思います。

もっとも、この2つは好みの問題と言ってもいいし、撮っている人間の優先順位によって、どうするか考えればいいでしょう。

ただ、凄く気になったのが情報に対する裏付けや、会話からわからない事柄への補足がないこと。これは本当に気になりました。

大前提の『ネパール人の留学生の自殺が増えている』という部分から始まりますが、統計データ等の提示もなく、聞いた話なので根拠が示されないんですよね。

そこはやっぱり映像として、何らかのデータを提示しないとダメなのでは?

また、後半の電話で出てくるカースト制。多分、ネパールの人々にとっては知っていて当たり前のことなんでしょうが、ちょっとの身分の違いで差別があると言われても、日本人にはわかりません。

作品中では不浄階層ではないことについて触れているようでしたが、バフン、チェトリ、マトワリでどれくらいの差があるのかは文字や画像等で補足しないと理解出来ないでしょう。

多分、商業的に展開したいと考えたら、そういった見る側のことをより考慮しないと、厳しいんじゃないかと思います。

ただ、現時点ではあくまでも学生作品なので、いまのレベルでもアリでしょうね。

試写会や上映会の反応を見て、編集し直してから、ネパールの支援団体や大使館に売り込んでみるのも面白いかもしれません。直接お金につながらないにしても、実績としてね。

オススメ度(10段階)……☆☆☆☆☆☆☆(学生作品として)
(異文化の中で頑張っていることを考えると、よくやってると思います。)

ネパール人は自殺しない
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Twitter(同朋大学映像文化コース)
上映場所/名古屋ピカデリー
上映時間/2015年3月9日18:00~
チケット:当日券1500円

【ネパール人は自殺しない】」への5件のフィードバック

  1. ネパール人は、自殺します。
    私は民間の日本語教師として3年間ネパール、カトマンドゥ市に住んで教えていました。JICAの方は分かりませんが、一般人として暮らすと町中に自殺や不倫や事故、脳血管性の病気、日本と同じでしたよ。もちろん、人懐っこくて親切という良い国民性もありました。それも、日本と同じ、良い所も悪い所もあります。日本の階級差別が無くなって150年経ってもいろいろありますよね。ネパールではカーストが無くなってまだ60年です。差別だけでも問題は山積です。

    • この作品は、学生作品のため、ご覧いただく方法が多分ないのが残念です。
      多分、日本と来日して働く外国人の大きな差として、日本人が外国に行く際は儲かるからと騙されることが少なく、日本に外国人が訪れる際は儲かるからと言われてくるというのが大きいのかなと思います。現実的には、日本で働くのはコスパや環境が悪くなっている気がします。
      正直、コンビニで働いているか、カレー屋をオープンしては潰れてるイメージが強いかも。
      国民性っていうのはあるんでしょうが、同じ人間ですから自殺する人は自殺しますしね。

      • 彼ら外国に出稼ぎに行くのが当たり前なんです。儲かると思ってというより家族を生かすためです。中世ゴルカの傭兵の時代より、あの国の90%は自国で食べていけないのです。10代後半から40代までの男性(今は女性も)は外国で暮らしています。そして、仕送りするわけです。カーストも含めて貧しい貧しい国ということもあります。日本はその選択肢の一つです。ですが、ネパールは入管から学生の入国申請が全く通らないということが近年、度々発生しており選択肢としての日本は無くなるでしょう。国民性は日本人とよく似て、良いのですがね。

        • 作品の中で描かれているより大変そうですね。そういえば、作品の中ではカーストとかには触れてなかった気がします。
          どうしても、耳にするのはブローカーに甘い言葉で誘われて、日本に来ても仕送りできるほど稼げないって話ばかりで。
          最近は入国審査が通らなくなってるんですか。

  2. こんなにコメントでごめんなさい。でも、少しでも実情を知っていただきたくて。本当に大変なんです。ダリットは代々貧乏ですから。
    ブローカーではなくエージェントと言います。以前はアジアならどこの国でもエージェントでした。エージェントは学生から、と、日本の学校からと2重に手数料を取ります。金額は1人につき同額です。とても高い。ですが、今ネパールには日本語学校が雨後の筍程もあり、ほとんどの学校はきちんと日本語を教えています。ですから、悪しき習慣であるエージェントではなく学校と学校での学生のやりとりが一番良い。手数料はやはりかかりますが同額なら学校に支払った方が確実です。時代は変化してるのに日本側の学校もまだエージェントを使い、犠牲者を増やしている所があるのです。良い日本の学校の先生方は、学生を集めるために私がいた学校にも来校されてました。一口では説明仕切れませんが、差別というのは国を病ませる、ということは間違いないと思いました。実際低カーストの学生の方がある意味優秀でした。そんなネパール人は横の絆が強い故に、難民申請して働いて稼ぐ、という方法をみんなで享受して、とうとう入国審査が一斉に通らない、という事態になっているわけです。どうしようもありません。深刻です。

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