伝説の女優の娘・淵累は卓越した演技力を持ちながら、自分の醜い外見にコンプレックスを抱いて生きてきた。
彼女の母親は、キスした相手と顔を取り替えることが可能な謎めいた口紅を娘にのこす。
一方、舞台女優の丹沢ニナは、容姿に恵まれながら芽が出ずにいた。
やがて二人は出会い反発し合いながらも、互いの短所を補うために口紅の力を使うことにする。
シネマトゥデイより。
松浦だるまの同名コミックを実写映画化した作品。
伝説の女優の娘でありながら、醜い容姿へのコンプレックスから深い演技力を秘めている累(かさね)。
それとは対照的に、美しい容姿を持ちながら、演技力皆無の丹沢ニナ。
ある目的のため、羽生田に引き合わされるふたり。
累は女優であった母親から特殊な口べきを贈られており、その口紅をしてキスをすることで、相手と顔を交換出来るというものだった。
ニナの顔で鬼気迫る演技をする累。
ふたりでひとりの丹沢ニナを演じることになるという展開。
口からこめかみへの醜い傷痕がなくなり、美しい顔を得た累は演技にのめり込んでいく。
しかし、その効力は12時間で切れてしまうため、それまでにリセットしなければならないという制約が。
ニナは名前と顔が売れていく反面、それは自分のものではなく、累に存在を奪われていくように感じ始める。
それは憧れていたひとりの男性演出家との出来事で爆発するのだが、ニナは隠していた病に倒れてしまうのだった。
伝説の女優だった母親同様、
演技に対する狂気的な執着
を見せていく累。
正直、見ていて感じるのが【ルームメイト】みたいという印象。
パクリとか、真似をしているという意味ではなく、恐怖の質として一緒という感じ。
特に周囲がだんだん累をニナ、ニナを累だと疑うことがないため、存在を奪われていく流れは、あっさりと描かれているものの、本当に怖いと思います。
ちょっと変わっているなと思ったのが、キスをして入れ代わるのが、あくまで顔だけであり、精神が入れ代わるわけじゃないという部分。
漫画としては面白いと思いますが、実写だと使いづらい表現があるので、ちょっともったいない気がします。
それぞれの思惑や、伝説の女優の秘密を絡めた狂気を描いた作品として、結構面白かったですね。
土屋太鳳の演技力は評価が二極化していますが、個人的には存在感は強かったと思います。
ちなみに原作とはクライマックスの流れが変わっていて、原作組の人たちは疑問に思うかもしれません。
ストーリーも映画では構成が変わっている為、展開がまるで違いますが、話が続いていて、14巻で衝撃の結末を迎えますので、気になる方はどうぞ。
オススメ度(10段階)……★★★★★★★
(色々と説明不足だし、疑問も残りますが、映画単品で観たら充分に面白いと思います。)
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