1970年代のワシントン州。建築家志望の独身技師ジャック(マット・ディロン)が車で人けのない雪道を通り掛かると、女性(ユマ・サーマン)が車が故障したと助けを求めてくる。
ジャックは彼女を車に乗せ修理工場まで送るが、彼女は急に態度を変えて無神経で挑発的な発言を繰り返し、ジャックは彼女に怒りを募らせる。
シネマトゥデイより。
Twitterのタイムラインでチラホラ見かけて気になっていたスリラーというか、シリアルキラーもの。
前情報一切なしで見たんですが、正直理解しきれているか、よくわからない。
始まりは車で立ち往生していたおしゃべりで失礼なユマ・サーマンを衝動的に殺すジャック。
そこから殺人に芸術性を求めていくことになるという展開。
後半になると残酷な方法で殺したんだろうなという死体もありますが、本当に残酷なのはジャックの精神性。
特に交際していた母親とこどもふたりを殺すストーリーは、ジャックの思考自体を不快に感じる人も少なくないと思います。
とはいえ、それがジャックにとっての哲学みたいなものなので、殺人を繰り返していくことで何かを積み上げているんでしょう。
その積み上げがタイトルの【ハウス・ジャック・ビルト】であり、マザーグースの歌である『ジャックの建てた家(The House that Jack Built)』というタイトルのつみあげうたとかけている部分のように感じました。
ところどころ、ジャックが家を建てることに固執している表現は、それを示しているんでしょうね。
マザーグースの歌を知らないと、本当にただのサイコパスが殺人にハマり、歯止めが効かなくなっていく姿を見せられるだけなので、ドキュメンタリー好きとかでないと、割ときついかも。
その上、行きついた結果、
いきなりファンタジーな話をしだすので困惑
するしかありません。
その際にブルーノ・ガンツがある役で登場するんですが、その正体も知識がないとわからないですし。
こういう理解するのに別の作品や宗教、教養が必要になる作品って、日本では一部のマニア以外にはハードルが高いと思います。、
ただでさえ異常なので感情移入できないし、陰湿過ぎて爽快感もないから、一般受けしづらいだろうし。
サブカルとして殺人鬼に興味がある人たちにはツボにハマりそうな気はするんですけどね。
オススメ度(10段階)……★★★★
(作品の質とは関係なく、オススメはしづらい作品)
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