北鎌倉にある古書店「ビブリア古書堂」。
夏目漱石の直筆と推察される署名入りの「それから」を持ち込んだ五浦大輔(野村周平)は、持ち主である亡き祖母の秘密を解き明かした店主・篠川栞子(黒木華)の推理力に驚く。
その後栞子を手伝うことになった大輔は、彼女が所有する太宰治の「晩年」の希少本が、「人間失格」の主人公と同じ「大庭葉蔵」を名乗る人物に狙われていることを知る。
シネマトゥデイより。
三上延の同名小説を映画化した作品。
ドラマ版とはキャストが違い、主人公の大輔を野村周平、ヒロインであり、古書店の店主で謎解き役の栞子を黒木華が演じています。
ちなみにテレビドラマ版はそれぞれAKIRAと剛力彩芽でした。
ストーリー自体は、ある出来事のために本を読むことが出来ない大輔と、本がすべてで他人の感情を理解できない女性栞子が、レアな本をめぐって起きる事件を解決するという展開。
そのサブストーリー的に、大輔の亡くなった祖母秘密を知ることになったりもします。
外見的には映画版のキャストの方が原作に近いイメージで良いんですが、全体的に1本の映画として不親切というか、
【ビブリア古書堂の事件手帖】シリーズの魅力が伝わってこない
印象。
ストーリー的にはテレビドラマの方が時間もかけられたせいもあるでしょうが、わかりやすかったし、興味をひいたと思います。
当時、ゴリ押しされている雰囲気が強く、外見的にも、キャラクター的にもイメージが合わないと言われていた剛力彩芽という状況だったことを差し引いても、ドラマ版に軍配が上がるレベル。
原作全体からダイジェストにするのではなく、1エピソードをメインにした部分は良かったと思うんですが、いかんせん祖母に関わるシーンが多過ぎるんだと思います。
確かに全体のストーリーのバックボーンになる内容ではあるんですが、多分見る側が求めているものはそこではないと思うんですよね。
大輔と栞子のストーリーが見たいわけで、裏事情がメインになってしまうと、隠し味が前面に出てくる料理みたいなものです。
あと、全体的に雰囲気や映像が暗いので、それも悪い評価につながっているのかも。
さすがにバラ色という気はありませんが、もうちょっとなんとかならなかったのかなと。
正直、推理ものとしても、栞子は真相がわかっているけど、他人に言わず、事件が起きるという流れが多いので、推理好きも疑問符が頭に浮かびそうですし。
この映画を見て、【ビブリア古書堂の事件手帖】シリーズってこんななの? と思われるのは、ちょっと可哀そうな気がします。
オススメ度(10段階)……★★★★
()キャストは割と豪華。
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