結婚10年目にして、赤ちゃんを授かった38歳の滴(松雪泰子)。夫の良介(椎名桔平)と喜び合っていたのもつかの間、乳がんが再発してしまう。自分の体と病の進行を十分に知り尽くす外科医の滴は、治療を進めるには出産をあきらめなくてはならないことを悟り……。
シネマトゥデイより。
【余命1ヶ月の花嫁】と似たような時期に広告展開されたため、あまり話題にならなかった不遇な作品。
結婚10年目にして妊娠をした松雪泰子演じる女医の滴。だが、その頃、同時に10年前に患った炎症性の乳癌も再発。
子供を産めば自分が死に、子供を諦めても余命が少し延びるだけ。どちらにしても、自分では子供を育てられないという絶望感。
どうせ死ぬなら子供を産みたいが、夫の良介に相談すれば、出産に反対されるのは目に見えている。
誰にも相談できず、絶対的な孤独の中、答が出せず、時間だけが過ぎていく。
本当の意味では女性にしかわからない悩みですよね。自分も想像は出来ますが、どれほどの葛藤かはうかがい知れません。
よくこういった作品では、仕事か出産を選択させられることはあっても、どちらにしても自分では育てられないなんて絶望的な展開はないのが一般的。
それか、夫視点で別れた妻や昔の彼女が自分に隠して産んだ子供が現れて、妻や彼女の葛藤を知るという流れでしょう。
ですが、この作品の場合、椎名桔平演じる夫の良介は医師国家試験を落ちた後、写真で生計を立ててはいましたが、滴に依存しているようなキャラクター。とてもじゃないですが、生まれてくる子供を託せません。
予告ですでに子供が生まれているので、産むのはわかってしまうのですが、そんな四面楚歌な状態で滴がどう決断していったのか、未来に希望を見出すことが出来たのか、夫婦で観ていただきたい作品です。
でも、よく考えると、松雪泰子ってこの作品の直前の映画って【デトロイト・メタル・シティ】のドS女社長なんですよね。
オススメ度(10段階)……★★★★★★
(エンターテイメント性はないけど、良い映画です)
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予告編
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