江戸後期、不幸な結婚生活に耐える野江(田中麗奈)はある日、1本の山桜を見つける。
花に手を伸ばすと1人の武士(東山紀之)が現れるが、彼は野江が今の婚家に嫁ぐ前に縁談を申し込んできた相手、手塚弥一郎だった。
自分を気遣ってくれる人物の存在に勇気づけられる野江だったが、手塚は悪政をたくらむ藩の重臣を斬ってしまう。
シネマトゥデイより。
桜が印象的な作品を探すと、日本の場合、時代劇が多いんですよね。
もちろん、卒業式とか、出会いや別れがテーマの作品で、花が印象的な作品は少なくないんですが、桜ではなかったり、それほど印象に残らない作品の方が多いように感じます。
この作品は、田中麗奈演じる野江が愛があるわけでもないのに結婚せざるを得なかった状況で、東山紀之演じる手塚弥一郎の人柄に情を抱くという作品。
多分、言葉で伝わる以上にまったりしてます。春先の平日の午後なんてものじゃなく、眠くなる勢いです。
原作は時代小説の代表とも言える藤沢周平で、監督は『地下鉄(メトロ)に乗って』の篠原哲雄なんですが、さすがに短編小説を100分近くまで伸ばすのは無理があった気がします。
眠くなるほどつまらないとか、駄作とか言う気はまったくありません。むしろ、個人的には時間の流れが遅いけど、それなりに面白い作品じゃないかと。
ただ、やっぱり動きのある展開やスピーディーなアクション、わかりやすいLOVE展開に慣れている層には合わないんじゃないかと思うんですよね。
イメージ的には足し算の洋食に対して、引き算の和食なので、余韻や行間を楽しまなくてはいけない敷居の高さも感じるし。
弥一郎の剣術の達人振りや、嫁ぎ先での野江への扱いの酷さがあっさり描かれているので、ふたりの想いが観ている側には伝わりにくい。
作中の弥一郎の母のセリフじゃないですが、この作品を楽しむためには
最後まで観るという『回り道』が必要
なのかもしれません。
また、当時のジャニーズは歳をとった事務所タレントのためか、時代劇に食指を伸ばして批判されていましたが、東山に関しては【必殺!】シリーズを置いておけば、好印象ではないでしょうか?
投獄されて数ヶ月経っても綺麗なままなのはちょっといただけませんけどね。
オススメ度(10段階)……★★★★★★
(桜の枝1本がすごい印象に残ります)
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