今回はぶっちゃけ映画じゃないです。DVDをなんとなく借りたら、ネットドラマだったわけですが、予想外の良作だったのでご紹介。
福岡から上京、様々な挫折を味わいながらも、路上アーティストでの活動を経て、成功を収めた川嶋あいの半生をドラマ化。
あらすじはこの1文で済む感じです。また、元が連続ドラマのため、7話構成のショートドラマの連続のため、1話ごとにエンディングが入るのがものすごく鬱陶しい。それを除けば、泣けます。
最初に観たときは、川嶋あいの話だと気づいていなかったため、母子家庭で餃子をたくさん作った次の日お母さんがいなくなった描写に……。お母さん子供置いて男と逃げたくて、餃子を作り置きしたのかと。
ところが連続ドラマで展開は自分、お母さんに平謝りな展開に。
なんとお母さん、川嶋あいの歌手になるという夢を叶えるため、建築会社の経営者夫人だったにも関わらず、小さい家に引越し、水商売で働き出します。
それが祟ったのか、入退院を繰り返すことになるのですが、それでも娘のために無理を続け、川嶋あいを地元と都市部のスクールに通わせます。
すごく献身的な母親だけど、娘のためなら大抵の母親はするんだろうなとか思っていたんですが、経歴を調べてビックリ!
実は養女。相手の連れ子だったとかではなく、3歳で実母を亡くし、施設に入っていた川嶋あいを引き取ったんだとか。
いや、普通出来ないでしょう。自己犠牲と言えそうなほど、ここまで献身的になれるものなのかと。本当に血のつながりよりも強いものってあるんだなあと思わされました。
まるっきり実話でなかったとしても、凄いなあと純粋に尊敬してしまいました。
また、自分は知り合いや、単に通っていたブログを書いている人だったり、タレントを目指している人たちを過去何人か見てきたんですが、やっぱり残る人と消える人ってなんとなくわかるもんなんですよね。
ある程度はやっぱり実力社会なので、そこで足きりされて、あとは人脈含めて運っていう要素が大きいのは事実だと思うんですよ。ただ、やっぱりそれだけじゃなく、決定的に違うことがあると思います。この作品を観ていたら、それがにじみ出てる気がします。
あくまで自分持論なので、反論とかある人もいるとは思うんですが、やっぱり『いろんな人に聴いてほしい人』と『歌いたい人』って全然違うと思うんですよ。別にこれは歌手に限らず、俳優なら『観て欲しい人』と『演じたい人』、小説家なら『読んで欲しい人』と『書きたい人』。
前者は生き残るけど、後者は実力が並外れていたり、時運に乗った以外で生き残ることはそうそうないと思います。こういうブログにしろ、『読んで欲しい人』と、『書きたい人』で全然文章や訪問者数が違うわけで。もっとも、このブログ自体、読んで欲しくても努力を出来ていないので、伸び悩んではいますが(苦笑)。
結局、成功して生き残る人たちって、相手のことを考え、媚びるという意味ではなく、伝えようと努力する人なんじゃないかと思います。もちろん、したい人たちはしたい人たちで、楽しむべきだと思います。ただ、ビジネスとしてやっていくのであれば、そういう意識の部分から変えないといけないような気がします。
本当に、この作品を観ていると、リアルにそう感じさせますね。タレントとか、アーティストとか、表現で食べていこうと思っている人には是非一度観ていただきたい。
オススメ度(10段階)……★★★★
(これが1本の映画として作られていれば、評価は遥かに上。どうしても1話ごとの区切りが鬱陶しく感じます)
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