ワタナベ(松山ケンイチ)は唯一の親友であるキズキ(高良健吾)を自殺で失い、知り合いの誰もいない東京で大学生活を始める。
そんなある日、キズキの恋人だった直子(菊地凛子)と再会。二人は頻繁に会うようになるが、心を病んだ直子は京都の病院に入院してしまう。
そして、ワタナベは大学で出会った緑(水原希子)にも惹(ひ)かれていき……。
シネマトゥデイより。
村上春樹の日本だけでも単行本、文庫版合わせて1000万部以上売れた長編小説を実写映画化。
原作小説を読んでいませんが、印象として、実写映画化に失敗しているとしか言いようがない感じ。
改変しておかしくなったとかではなく、完全に
ダイジェストのような作り
になっている上、それぞれの登場人物の掘り下げもなし。
すごく上っ面な描写なのに、会話はラブというよりエロトーク。
その上、わけもわからず人が死ぬ。
なんでキズキが自殺したのかわからないまま話が進むので、最後にそこで感動するのかと思ったら、途中で理由らしきことが語られる。
じゃあ、他に何か大オチがあるのかと思ったら、もう本当に女性陣がただの色情魔みたいな描写しかない。
かと言って、見えるようなエロシーンはありません。その辺り、【ジョゼと虎と魚たち】や【さよならみどりちゃん】の方が頑張っているんじゃないでしょうか。
あまりにも可哀想なので、ネタバレしますが、レイコさんという直子と同室の女性も自分を抱いて欲しいと言うんですが、映画版では本当にただのエロい人としか思えません。
原作では描かれている病気の原因が一切不明なため、夫と子供を捨てるために、同室の女の子を亡くしたばかりの10も年下のワタナベに抱かれた人というロマンポルノか何かの登場人物になっています。
病気になった流れを知っているか、知らないかでレイコに対するイメージが全然違うのに、一切掘り下げ無しっていうのも凄いですね。
全体的にそんな感じな上、映像でわからせようとするので、原作を読んでない人には意味がわからないシーンのオンパレード。
主人公のワタナベにしても、考えて自分の意志で行動しているようなことを言っているんですが、映画ではどう見ても、ただ流されているだけにしか見えません。
よく、原作の方を読んで衝撃を受けて、ボーッとしたという感想を聞きますが、この映画の場合、意味がわからなくって呆然としそうです。
ただ、役者たちの演技を変に感じるかもしれませんが、世界観的には合っているので、そういうものだと思ってください。
オススメ度(10段階)……★★★★
(右翼の運動が、いまの左翼や安保反対の人たちの運動そっくりで苦笑い。)
コメント