【西の魔女が死んだ】

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ドラえもんの主役はノビ太くんであって、ドラえもんはタイトルなだけで主役ではありません。同じように、サチ・パーカーは『西の魔女』役ですが、主役の女の子まいのおばあちゃんであって、主役ではありません。ですが、この邦画、パッケージに騙されて洋画に並べられたりしています。きっと中身もわかってないんでしょうね。

さて、そんな、間違いにも負けない魔女たちのあらすじ。

中学3年生になったまいは、母親と一緒に『魔女』の家へと向かっていた。『魔女』というのは母方の祖母で、まいと母親だけはイギリス人の祖母をそう呼んでいる。

中学に入ったばかりの頃、まいは『魔女』と暮らしていた時期があった。学校に馴染めなかったまいに、母親が勧めたのである。

祖母の家系は『魔女』の血筋だと聞いていた。もっとも、祖母のいう『魔女』とは、ホウキにまたがって空を飛ぶようなものではなく、草木についての知恵や知識を代々受け継ぎ、物事の先を見通す不思議な能力を持つ人のことである。

『魔女』に憧れていたまいは、『西の魔女』である祖母の下、『魔女修行』を始める。だが、それはまいの想像とは違い、規則正しい生活をして、何事も自分で決めるという当たり前のこと。それでも草木に囲まれて送る生活は、まいにとって新鮮に感じていた。

懐かしい『魔女』の家へと向かう車の中で、まいは『西の魔女』の死を告げられる。不本意な別れ方をしたまいは後悔の念にかられたが、それを救ったのは『西の魔女』からのメッセージであった。

淡々としている感はありますが、昼過ぎの一時に紅茶を飲みながら観たくなる映画でした。観た感じとしても、邦画っぽくなく、ヨーロッパな雰囲気。本当に良作を観たという気がします。

現代の日本では、雇用不安などの経済的な不安で気が滅入るようなことが多いし、公共の場で注意されたことを逆ギレした声優が、ラジオで下品な笑い方をしながら相手を冤罪に落とそうとしていたことを放送している辺り、モラルハザードを感じます。そういうのを見聞きした後に観たら、『西の魔女』の賢女振りに頭が下がります。男で言えば、「あんた、侍や」という感じです。

【キサラギ】の中で、「本当なんてわからんよ。真実は常に主観でしかありえない」というセリフがあるんですが、『西の魔女』は達観しています。まず最初に凄いと思うのが、孫であるまいに対して、丁寧語で話すこと。言葉の乱れは心の乱れとばかりに、優しく美しい日本語で語り掛けます。また、劇中で動物を殺されて憤るまいに、自分の思い込みで決め付けてはいけないと諭したり。

現実では優しいと甘やかすの境界って曖昧ですが、良いときは優しく褒め、ダメだと思ったら毅然と注意、子供でもひとりの人間として扱うなんて本当に難しい。そういう『魔女』の態度もこの映画を良作にしているのだと思います。

テレビドラマの【笑顔の法則】の野際陽子とかも凄いなって思いますが、こういう老齢でも明鏡止水を感じさせる女優さんたちって尊敬します。しかも、サチ・パーカーって、この作品製作中は51歳……。

オススメ度(10段階)……★★★★★★★★
(子供のしつけに悩んでいる親御さんにも良い映画)


奥さまは魔女 コンプリート・ボックス
↑若い魔女はこんな感じw

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