8年前、突然スイーツ界から姿を消した十村(江口洋介)は有名店からの誘いを断り続け、伝説のパティシエと呼ばれた腕前を披露することはなかった。一方、鹿児島でケーキ屋の娘として腕を振るっていたなつめ(蒼井優)が恋人を追い掛けて上京し、ひょんなことからスイーツ激戦区の東京で大評判の有名洋菓子店で十村と出会う。
シネマトゥデイより。
小さいながらも有名な洋菓子店を舞台にした作品。ただし、洋菓子そのものや、店そのものが舞台の作品ではないので、洋菓子店そのものが舞台の作品を期待すると、肩すかしをくらいます。
よくあるケーキを食べると幸せになるとか、ケーキ対決してどうこうとかいう流れはありません。
とはいえ、人間関係を描いたヒューマンドラマとしては、ストーリーや展開ともに邦画としては充分良質。ただし、それも俳優陣の演技力の賜物。
戸田恵子や江口洋介、江口のりこを始めとした実力派が周りを固めているせいで、かなり底上げされてます。
主演の蒼井優も綺麗だし、頑張っているんですが、脚本のせいなのか、主人公らしからぬキャラクターに。観ていて、
演技の引き出しおかしくない?
と思ってしまうレベル。こういう作品の主人公が先輩に注意されて、ブツブツ文句を言うとか、やたらとキレるとかありえません。
正直、観ていて不快に感じるレベルの感じの悪いキャラクター。これの面倒を見てあげる戸田恵子演じる依子・ウィルソンの懐の深さは半端ないです。
他の作品の演技を観てきた限りだと、そういう演技をして欲しいという演出の可能性が高いんですが、ドラマ【おせんさん】の何コレ演技という前例もあるので、絶対とも言い切れず。
世間的に作品の評価は良いし、蒼井優自体の評価も高いですが、個人的には蒼井優が主役である必要はなかったという印象を受けました。
もちろん、演技が下手とかそういうことでなく、女優蒼井優のイメージと、主人公であるなつめのキャラクター性に違和感を感じたというだけで。
むしろ、瀧本美織のような活発で毒のないキャラクターの方が、作品をより受け入れやすくしてくれた気がします。
実力派を集めて、リアルさが増し過ぎるのもあまり良くないんじゃないかと思います。そういうのが気にならない人には楽しめる作品。
オススメ度(10段階)……★★★★★★★
(主人公の性格を受け入れられるかがポイント)
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コメント
別の方のレヴュー記事にも同じコメントを付けたのですが…。
このタイトルの固有名詞が気になってます。同名のビストロが鎌倉小町通りにあるので。
「街角=コワン・ド・リュ」を「コアンドル」と表記するのはかなり独特のように思え、タイトルと実在の店名の〈偶然〉?の一致が不思議です。両者が共通に典拠とする何か(ポピュラー・ナンバーとか)があってのことでしょうか。何か御存じでしたら御教示を。
この映画、封切の際劇場で上記を確かめようと思って機を逸しました。江口のりこ、戸田恵子ともに贔屓なので、そのうちソフト鑑賞したいと思ってます。
>ティーグル・モリオンさん
コメントありがとうございます。
同名のシャンソンがありますが、そちらも
発音は違うので、多分脚本家か何かが聞き
かじった言葉を使いたかっただけかと。
鎌倉はビストロで、監修したのはパティスリー
なので、知り合いかもしれませんが、
可能性は低いと思います。
また、邦題としての聞き取りやすさの問題かも
しれません。