スポーツ店を経営するコーチ・カーターは高校時代、伝説のバスケット・ボール選手だった。ある日、カーターは母校のコーチとなる。しかし、そのチームは負けてばかりで生活態度もよくない、最悪のチームだった。
シネマトゥデイより。
実話を基にした高校のバスケットボールチームを描いた作品。
ただ、他のスポーツを描いた作品とは違い、弱小チームが監督やコーチ、選手たちの戦略で強くなるという作品ではありません。
治安が悪く、将来の職業選択の余地がほとんどなく、3人に1人は逮捕された経験があるという地域リッチモンド。とても、映画等で映しだされるカルフォルニアにある地域とは思えません。
まるで、光の影の暗部を見せつけられてる感じです。
高校のOBで、スポーツ店を営むカーターがコーチとして赴任することになるんですが、その時に生徒たちとする契約が独特。
設定された成績をとること、授業には必ず出席すること、試合には正装してくることの3つ。
これらを守れなければ、試合には出さないという契約を結ばせます。契約とは別にニガーという差別用語の使用をを禁止してました。
当然、それに反発する者もいるんですが、文字通り叩き出されてしまう羽目に。
他にも得点源のメンバーが出て行ってしまい、不安に感じる学生たちをスパルタでしごきあげ、規律を叩き込んでいくカーター。
すると、元々素養が高かったのか、リッチモンド高校のオイラーズは勝ち始め、いままでほとんど勝つことがなかった学生たちは連勝に酔いしれて、完全に調子に乗り始めます。
連勝を続けることで地域の注目も集まり始めた頃、ある事実が発覚し、カーターは試合を放棄。
学生たちがバスケットボールで勝つことを優先する学校と地域の人々に対し、カーターが猛反発する事態へと発展します。
試合に勝つよりも大事なことがあるというカーターですが、よくある精神論的な話ではなく、あくまで学生たちや、地域住民たちの未来に対する思いの強さからの行動なんですけどね。
目先の利益か、将来への希望かという意味では、まさに種もみをいま食べるか、育てるかという話だと思います。
正直、クビになったアフロが復帰のために頑張って、仲間に助けられるのに、また同じような理由で辞めるというのにはイラッとさせられますけどね。
栄光からの堕落、そこからの決断と結構ベタベタな展開で、実話ベースとは思えない内容ですが、映画好き、バスケ好きなら生涯に一度は観ておいた方がいい作品です。
もっとも、この映画の何が凄いって普通にアリウープとかスーパープレイが見れるんですが、キャストが実際にプレイしてるというところ。
観ていて、スタントでもなさそうだし、吊ってるようにも見えないし、CG使うような映画でもないよなと疑問に思っていたら、単純に本人たちがプレイしていたというかっこ良さ。
オーディションの段階で、エース級の経験者だけ残して選んだんだとか。本当に凄いですね。
ワーム役のアトウォン・タナーは、脚本のマーク・シュワーンが企画しているドラマ【ONE TREE HILL】でもバスケットボールをしてました。
オススメ度(10段階)……★★★★★★★★★★
(現実の日本ではきっと受け入れられないストーリー)
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