瑞沢高校競技かるた部員の綾瀬千早(広瀬すず)と若宮詩暢(松岡茉優)が、全国大会で激闘を繰り広げてから2年。
真島太一(野村周平)、綿谷新(新田真剣佑)らと共に名人・クイーン戦に挑む千早だったが、詩暢と戦えない自分の実力不足を痛感する。
そんな中、千早たちの師匠・原田秀雄(國村隼)が史上最強の名人とされる周防久志(賀来賢人)に敗れてしまい、新が彼に挑戦状をたたきつける。
その後3年生になった千早は、高校最後の全国大会に向けて動くが……。
シネマトゥデイより。
末次由紀の同名漫画原作で、【上の句】、【下の句】がヒットしたことにより、予定外に制作された完結編。
予定外だったためか、原作からかなり構成を変えてきました。
前作では、創部1年目にして全国優勝した瑞沢競技かるた部。
しかし、それから2年が経ち、千早はクイーン戦に至らず、準決勝で敗れ、クイーンのしのぶと戦うことは出来ず。
師匠の原田を圧倒する名人周防を目の当たりにする太一は、引退しようとする名人に挑戦状を叩きつける新を見てしまう。
そして、瑞沢のチームとしての戦い方に憧れた新は、自らの通う藤岡東高校でかるた部を作る。
対して瑞沢高校競技かるた部は、優勝したにもかかわらず、昨年は千早の言動に新入生がドン引きした結果、入部者0.
今年の新入生を勧誘出来なければ、来年は部員0で廃部になってしまう状況。
この辺りで既に原作の2年時の出来事が3年になっています。
新たな部員として、筑波と菫が入部するんですが、原作では千早たちが2年でのことで、本来なら1つ下。
しかし、筑波のキャラクターを表現するエピソードと、菫の太一絡みのエピソードを組み込むため、2つ下になってます。
これだと来年は部員ふたりなので、勧誘できなければ、結局廃部な気がします。
とはいえ、千早たちを3年にしてしまった以上、菫のエピソードは太一が競技かるた部から離れる流れに重要な要素であるため、削るに削れなかったんでしょうね。
原作では机くんこと駒野がある思いから学年1位の成績をとったため、結果的に太一が競技かるた部から離れることになるんですが、そのエピソードがないので、かなりあっさりしてました。
原作を読んでいる身としては、北央のヒョロくんのくだりや、肉まんくんのお姉さんの登場に期待していたんですが、尺的に難しかったんでしょうね。
対戦相手に関しても、本当は2年、3年で当たる相手が
完全にifストーリー
なので、かなり混乱します。
というか、むしろまったくの別物として見た方が楽しめると思います。
原作では結構様々な相手と切磋琢磨することになるのを1作にまとめているので、大胆に登場人物が削られているし、映画として完結させるため、クライマックスの対戦相手が原作派にとっては予想外かも。
確か団体戦だと、この組み合わせでの対戦はないので、これはこれで面白いドリームマッチという印象。
2年間を圧縮したら、こうなるのも仕方ないかなと思います。
ただ、シリーズ全般を通して、太一がかるたよりも色ボケ気味な演出で、千早主体ではなく、太一主体で千早ヒロインみたいになっているのはミスジャッジな気がします。
クライマックスも、まるで太一が主役みたいになってるし、この演出でエンドロール演出で千早の未来を描かれても、なんだかなあとなる人たちが少なくないんじゃないかと。
オススメ度(10段階)……★★★★★★★
(個人的には二次創作的な面白さを感じますが、原作至上主義だとキレるかも。)
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