空と海が輝く街“藤沢”に暮らす梓川咲太は高校二年生。
先輩で恋人の桜島麻衣と過ごす心躍る日常は、初恋の相手、牧ノ原翔子の出現により一変する。
何故か翔子は「中学生」と「大人」がふたり存在しているのだ。
やむなく翔子と一緒に住むことになった咲太は「大人翔子」に翻弄され、麻衣との関係がぎくしゃくしてしまう。
そんな中、「中学生翔子」が重い病気を患っていることが判明し、咲太の傷跡が疼き始める――。”
公式より。
鴨志田一の小説【青春ブタ野郎】シリーズの劇場版。TVアニメの後日譚になります。
原作小説では、第6巻『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』、第7巻『青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ない』に当たる内容。
劇場版d根は、TVシリーズでは描かれなかったふたりの牧ノ原翔子について描かれています。
【青春ブタ野郎】シリーズの世界観では、『思春期症候群』と呼ばれる現象があり、主人公である梓川咲太は身の周りで起きた『思春期症候群』を解決していくというのがメインのストーリー。
咲太の胸には妹のかえでに思春期症候群が発症した傷があるんですが、かえでの『思春期症候群』が収まったにも関わらず、何故か残っています。
そんなある日、咲太と恋人の麻衣、妹のかえでで過ごしているところへ、大人の姿の牧ノ原翔子が泊めてくれないかと現れる。
翔子によると、自分と中学生の翔子は同一人物で、たまに大きくなってしまうため、帰るに帰れないのだと言う。
しかし、初恋の相手である翔子だけが泊まることに納得のいかない麻衣を含めて、4人で暮らすことになるという展開。
ただ、そうなると翔子の話には説明がつかないことがあり、咲太は友人の双葉理央に相談し、ある仮説にたどり着きます。
そして、ある出来事で仮説に確信を得た咲太に、翔子は事実を伝え、咲太はあまりにも重すぎる選択を迫られることに。
それは麻衣との未来か、翔子の未来のどちらかを選ばなくてはならないというものでした。
そこからは咲太、麻衣、翔子それぞれの想いのぶつかり合いが描かれるんですが、実写では難しい細かい演出含め、想いの強さに驚かされます。
実際、誰かの幸せのために誰かが不幸にならなければならないのが事前に告知されている状況なんて、普通の神経では耐えられないでしょうね。
そして、それぞれが固い決意を決めた結果、予想もしない最悪の結末を迎えてしまいます。
正直、そこまでの気持ちのぶつけ合いに感動して泣けるくらいなので、その結末を迎えたことであぜんとしてしまいました。
その後、なかなかアクロバティックな方法で結末を変えにいくことになるのですが、その先は見ていただいた方が楽しめると思います。
TVシリーズを見ていなかったり、演出の意味がわからないとわかりづらい部分もありますが、それを差し引いても良作と言っていい作品でした。
さすがに劇場版だけ見ると、量子もつれの意味がわからないので、どうしてそうなったのかがわからないとかあるでしょうし。
演出がわからないと、エンディングにかけての意味がわからないかもしれません。
逆に言うと、TVシリーズ→劇場版→TVシリーズと見ると、新たな発見があって、より楽しめるんじゃないかと。
オススメ度(10段階)……★★★★★★★★
(TVシリーズを見ているものとしての評価。)
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