【私がクマにキレた理由(わけ)】

ステキなエリートを夢見るアニー(スカーレット・ヨハンソン)は、ひょんなことからマンハッタンのゴージャスなマダム、ミセスX(ローラ・リニー)に雇われ、彼女の幼い息子の面倒を見るベビーシッターとして働くことに。

しかし、自由なニューヨークの生活を夢見ていたアニーは、自分勝手なセレブ一家に24時間振り回されるハメになる。

シネマトゥデイより。

スカーレット・ヨハンソン演じるアニーが上流階級のナニーとなって、奮闘するストーリーだと思われがちですが、実は本質はそこじゃないと思う作品。

ゴールドマン・サックスの面接に行き、始めに質問された「アニー・ブラドッグとはどういう人間か」という質問に対し、何も答えられなかったアニー。

当然、名前や誕生日といった情報は答えられるが、どういう人間かと言われると、自分でもわからない。

多分、就職の面接に行って、いきなりこの質問をされたら、まともに答えられる人ってそうそういないでしょうけどね。

しかし、エリートになって成功することだけを考えていたアニーは、公園で落ちぶれる未来を想像してしまう程に悩み始めます。

そんな時、事故に遭いそうになったところを助けた子供の母親に名前を名乗ったところ、ナニーと聞き間違えられ、ナニーとして働くことに。

ちなみにいまさら説明すると、ナニーというのはしつけや教育もするベビーシッターというのがわかりやすいと思います。厳密に言うと別物ですし、国によって扱い違いますけどね。

働き始めると、誘われた時に言われたような楽な仕事ではなく、雑用で酷使されるだけの大学を出てまで就く仕事ではありません。

実際、他のナニーには怒られ、知り合ったハーバードのイケメンの友人たちにも笑われる始末。

無理矢理連れて行かれた上流階級の婦人たちとナニーのたちの会合では、主従関係が強調されていて、まるで奴隷か何かのよう。

ナニーカメラと呼ばれるカメラで監視までしている家もあるとわかります。

アニーは辞めたいと思い始めはしたものの、グレイヤーに情が湧いてしまっているため、なかなか辞めるに辞められない。

グレイヤーの父親のミスターXは、シカゴの部下と不倫をしていて、マダムXはそんなミスターXを繋ぎ止めておきたくて、息子ほったらかしにして女磨きに精を出すという状況。

せめて両親の関係が修復するまではと頑張るアニーに更なる追い討ちが。

ハーバードとの恋愛や、母親に嘘をついてナニーをしていることへのうしろめたさ等をからめながら話を進んでいき、家族とは何なのかを考えさせられることに。

そして、タイトルでもある『クマ』に仕掛けられたナニーカメラに向かって、酷い仕打ちをしたマダムXへのメッセージに心を打たれます。

ラブコメディ的な内容を想像させるタイトルですが、

【プラダを着た悪魔】に近い割と真面目な考えさせられる

作品でした。

オススメ度(10段階)……★★★★★★★★
(グレイヤーにパンツを下ろされ、ハーバードに下着を見られるシーンはさすがに笑います。)

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