1932年、品格が漂うグランド・ブダペスト・ホテルを仕切る名コンシェルジュのグスタヴ・H(レイフ・ファインズ)は、究極のおもてなしを信条に大勢の顧客たちをもてなしていた。
しかし、常連客のマダムD(ティルダ・スウィントン)が殺されたことでばく大な遺産争いに巻き込まれてしまう。
グスタヴは信頼するベルボーイのゼロ(トニー・レヴォロリ)と一緒にホテルの威信を維持すべく、ヨーロッパ中を駆け巡り……。
シネマトゥデイより。
グランド・ブダペスト・ホテルのコンシェルジュのグスタフは、常連客のマダムDに特別なサービスを行っていたため、マダムの死後、遺産争いに巻き込まれてしまいます。
遺産をグスタフに与えるのを良く思わないマダムDの息子ドミトリーは、グスタフに母殺しの罪を着せて、それを阻止しようと考える。
グスタフは連れてきていたベルボーイのゼロの言葉で、『リンゴを持つ少年』をいう価値のある絵画を持ち去り、ヨーロッパを飛び回ることになるという展開。
本編は前述の通りなんですが、実際には【インセプション】のような多重構造になっていて、少女がグランド・ブダペスト・ホテルについての本を開くと、本の作者が老いたゼにが貧しい移民からどうやってホテルのオーナーについて聞かされるという構造になっています。
そのため、少なくともゼロは生き残るという前提で話は進んでいくわけですね。正直、時間を分けて描きたかっただけだと思うので、わざわざ多重構造にしなくても良かった気もします。
観る前の段階ではそれを知らなかったため、タイトルと、ジャンルがミステリーと聞いていたことから、てっきりホテルを舞台にして、いくつもの出来事が交錯するグランドホテル形式の作品だと思ってました。
しかし、GEOではコメディに分類されていて、TSUTAYAではサスペンス。ということは、ミステリーコメディなのかと。
実際に観てみると、確かに濡れ衣を着せられて脱獄、刺客を向けられて逃走という展開は推理系ジャンルとも言えるし、所々に喜劇染みたシーンがあるので、コメディと言われたらそうかなとも思います。
しかし、よくよく作品そのものを何のジャンルかと問われたら、コンシェルジュのグスタフと、ベルボーイのゼロの
ふたりの絆を描いたヒューマンドラマ
じゃないのかなっていう印象でした。
コンシェルジュとして成功していたグスタフが、勝手に採用されていたゼロを面接していて、経験も教育もない名前通りのゼロと見下す感じに告げるんですが、若いベルボーイが家族もゼロだと答えると、申し訳なさそうに謝ります。
結局、グスタフはゼロを気に入り、ゼロはグスタフを父のように、師のように慕うんですが、移民のゼロは列車の移動すらままならない差別される立場のようです。時代ですね。
グスタフが留置場に入れられている間にゼロは、アガサというケーキ職人と恋に落ちるんですが、グスタフがプレゼントを渡しているのを見て注意したり、それに対してグスタフがからかったりという関係にまでなっていきます。
本当に父と子くらいに歳が離れてるんですが、外国って日本と違って、歳の差に関係なく、相手を対等に見る感覚が良いですよね。日本の社会には合わないので、日本人がそうするのは違和感がありますが。
その後も濡れ衣を晴らすために動いたり、ゼロとアガサが結婚したりと色々あるんですが、時代が変わったことで彼らに悲劇が訪れてしまいます。
ラスト直前のほんの短いシーンなんですが、個人的にはそのシーンが最大の見どころ。
テンポがいいので、意味がわかりにくいシーンがあるものの、かなり見やすい作品だと思います。
オススメ度(10段階)……★★★★★★★★★
(観る人を選ぶ映画でもあり、合わない人にはつまらないかもしれません。)
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