学生作品」カテゴリーアーカイブ

【ふたりのジュリエット】

演劇の名門私立宝ヶ丘女学校で繰り広げられる長編恋愛ドラマ映画。

五年前、ロミオ役のスター女優・土井忍とジュリエット役の真幌潤は愛し合っていた。 愛を誓うため舞台上で心中することを約束するが、潤は一人で死んでしまう。 土井は、一人学園に取り残されることになる。

そして今、学園の再建のため天才演出家・金田一が入学する。 そして、土井は恋人であった真幌潤と容姿がそっくりな新入生•南九院えりいの存在に心が揺れ動き始める。 今再び、舞台の幕があがる。

告知文より。

続いても同じく名古屋の同朋大学の学生作品。こちらは打って変わって、青春ラブストーリー。

卒業公演で心中をしようとした学園のスター女優と、その相手役。

閉鎖された女子校という空間での恋ということらしい。

結局、ロミオ役のスターだった忍だけ生き残り、5年経ち、演劇の指導をしている様子。

そこへ天才演出家の金田一が赴任してくるんですが、自分を天才という割にチャラい。【のだめカンタービレ】の大河内のように認められない実力者を演じたかったのかもしれないけど、単に作品から浮いています。

また、赴任の挨拶に稽古場に行くと、亡くなったジュリエット役そっくりの南九院えりいがいて、忍は驚きの表情を見せます。

なんで卒業公演の責任者の忍が新入生が入部しているのを知らないのかは謎です。

その後、えりいの正体が判明するんですが、惹かれあったふたりは再び舞台に立つことにという展開。

学生作品なので、ところどころに疑問な設定や、不自然な展開があるんですが、一昔前のテレビ東京の深夜ドラマには同じくらいのレベルのものがありました。

そう考えると、学生作品としてはかなり良い出来なんじゃないかと思います。

もうちょっと脚本を練り込んで、都合の方に脚本を合わせなければ、もっと面白くなると思うので、その辺は他の作品を観て勉強するか、経験を積むしかないんでしょうね。

主演のふたりも学生なのか、華はありませんが頑張っていたと思います。ただ、金田一役の青年は演技は学生だとしたら演技は上手いと思うんですが、ドタバタコメディか、舞台のような演技なので、作品に合ってない印象を受けました。

後半を観る限り、普通の演技も出来るようなので、変に笑いを入れようとする必要はなかったと思うんですよね。俺様キャラでいくか、軽い男でいくか、ブレてるようにしか感じてもらえないでしょうし。

ただ、役者に関しては社会に出て撮影することになれば、資金は必要になりますが、ある程度はこだわれるので、なんとでもなりそうですけどね。

全体的に見て、1000円の価値があるかは難しいところですが、前述の通り、一昔前の深夜ドラマならあるレベルなので、学生作品としては良く出来た作品だと思います。

現時点では荒いし、多分自分はわかっている他人には謎な演出も多いですが、変な妥協に逃げず、経験を積んでいけば、もっと可能性があるんじゃないでしょうか。

オススメ度(10段階)……☆☆☆☆☆☆☆(学生作品として)
(そういえば、学長がゲスト出演してました。)

ふたりのジュリエット
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上映場所/名古屋ピカデリー
上映時間/2015年3月10日18:00~
チケット:当日券1500円

【ネパール人は自殺しない】

ネパール人留学生のマハルジャン・ラズクマルが ネパール人留学生のゲムス・ロビンの自殺について追った 長編ドキュメンタリー映画。

告知文より。

インドのネパールから愛知県にある同朋大学に留学に来ているマハルジャン・ラズクマルによるドキュメンタリー。

いつもの映画への感想とは違い、あくまで学生映画として観た感想なので、そこは踏まえて読んでください。

タイトルからのイメージは、マハルジャン・ラズクマルが頑張る姿を描いていそうな印象を受けますが、実際は東京で自殺したゲムス・ロビンについて調べていくという展開。

インド人に限らず、外国人の留学生全般に言えることですが、昔のアメリカに移住して成功を掴むサクセスストーリーを信じて、日本に来るアジアからの留学生は増えていっています。

その理由として、コンサルタントに日本へ行けば稼げると言われて留学してしまい、稼げるようになるまでにどれだけの出費がかかるのかは伝えられないというところも大きいんでしょう。

人間は誰でも自分に利益があることを信じる反面、認めたくないことは信じないという心理が働いてしまうものですし。

自分自身は結婚しているため、ホームシックにかかることはあっても、絶望までは感じている様子の無いラズクマル。

支援団体や講師に話を聞いても、何故ネパール人の自殺が増えているのかはわからない。そんな彼は、自分の表現方法の1つである映像でその疑問を追いかけるにことにしたらしい。

自殺したロビンの日本での葬儀が開かれることを知り、東京に向かい、ロビンの友人や家族にインタビューするが、結婚の予定もあったくらいで何故自殺をしたのかもわからないとのこと。

むしろ、鳥インフルエンザで大量の鳥を処分することになった実家の方が大変そうです。

しかし、ロビンの従兄や友人たちの協力を得て、様々な人々にインタビューをしていくと、ロビンには女性の問題や、結婚についての悩み、生活していく上でのお金の問題が大きくのしかかっていたのがわかります。

特にお金の問題は友人との仲を破壊することにつながってしまい、ロビンに嫌悪感を抱いている人もいました。

そういったインタビューが延々と続くため、いわゆる娯楽的な映画ではなく、どちらかと言えば、テレビ向けのドキュメンタリー番組に近いと思います。

留学生が自分の訴えたいことを伝えるために撮った作品としては、充分に面白いテーマだし、日本人としては見づらいというのも留学生の作品なのでしょうがない部分かなという印象。

タイトルは本当にこれで良かったのかという疑問はありますが、ドキュメンタリーとしては生々しい分、メッセージ性は強いでしょう。

実際、日本に留学を考えている外国人は、夢を持つことは大事ですが、リスクとして観ておいた方がいいと思うし。

インドにフジテレビのNONFIXのような枠があれば、扱ってもらえるといいかもとも思います。

まあ、あくまでも学生作品としてのレベルでの話なので、ビジネスとして上映したり、お金を稼ごうと思ったら、このままではダメだと思います。

確かにラズクマルからのメッセージとしては面白いんですが、多分この作品には見ている側が存在していない。

厳しいことを言ってしまえば、言いたいことを言っているだけで、相手に伝えようという気持ちが伝わって来ないんですよね。

もちろん、ラズクマルとしては考えているんだとは思います。というか、思いたい。ただ、それが演出につながっていないので、わかりにくい。

自分ならこう撮るになってしまうので、あんまり書くべきではないと思うんですが、例えばインタビューシーン。

相手がとにかく語っているんですが、質問がわからないので、ただの独り語りになっています。ワイドショーとかでよくありますが、何を聞いたのか質問をテロップで入れるだけで全然違うと思います。

また、場面転換がいきなり過ぎて、わけがわからない。この辺は好みにもよるんでしょうけど、海外ドラマを見て、場面転換の区切りを置いた方がいいと思うんですよね。

【LAW&ORDER】みたいに暗転して、文字が出てから次の場所とか、ああいう演出があった方がいいんじゃないかと。

いきなり何処かに来たけど、何処で、この相手は誰なのかっていう状況は、ドキュメンタリーでは避けた方が良いように思います。

もっとも、この2つは好みの問題と言ってもいいし、撮っている人間の優先順位によって、どうするか考えればいいでしょう。

ただ、凄く気になったのが情報に対する裏付けや、会話からわからない事柄への補足がないこと。これは本当に気になりました。

大前提の『ネパール人の留学生の自殺が増えている』という部分から始まりますが、統計データ等の提示もなく、聞いた話なので根拠が示されないんですよね。

そこはやっぱり映像として、何らかのデータを提示しないとダメなのでは?

また、後半の電話で出てくるカースト制。多分、ネパールの人々にとっては知っていて当たり前のことなんでしょうが、ちょっとの身分の違いで差別があると言われても、日本人にはわかりません。

作品中では不浄階層ではないことについて触れているようでしたが、バフン、チェトリ、マトワリでどれくらいの差があるのかは文字や画像等で補足しないと理解出来ないでしょう。

多分、商業的に展開したいと考えたら、そういった見る側のことをより考慮しないと、厳しいんじゃないかと思います。

ただ、現時点ではあくまでも学生作品なので、いまのレベルでもアリでしょうね。

試写会や上映会の反応を見て、編集し直してから、ネパールの支援団体や大使館に売り込んでみるのも面白いかもしれません。直接お金につながらないにしても、実績としてね。

オススメ度(10段階)……☆☆☆☆☆☆☆(学生作品として)
(異文化の中で頑張っていることを考えると、よくやってると思います。)

ネパール人は自殺しない
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上映場所/名古屋ピカデリー
上映時間/2015年3月9日18:00~
チケット:当日券1500円