19歳の大学生花は、あるときおおかみおとこと運命的な恋に落ち、やがて雪と雨という姉弟が誕生する。彼らは、人間とおおかみの両方の血を引くおおかみこどもとしてこの世に生まれたのだが、そのことは誰にも知られてはならなかった。人目を忍びながらも家族四人で仲良く都会の一角で暮らしていたが、ある日、一家を不幸が襲い……。
シネマトゥデイより。
今回ネタバレあります。
予告編から癒し系ファミリードラマと思って視聴。序盤、大学に潜り込んで授業を受けていたオオカミ男と花の出会い。この辺りは癒しを期待出来る少女漫画のような展開。
やがて、子供が生まれるんですが、何故か買い物袋と財布を残して失踪。帰らぬ人ならぬ、帰らぬオオカミとなってしまうんですが、衝撃的なシーンを目の当たりにさせられます。
花が職員らしき人たちに死んだオオカミを渡してくれるよう懇願しているようなんですが、当然返してもらえません。それどころか、清掃車らしき車に放り込みます。
職員たちにはオオカミなので気にならないんでしょうが、花と観ている人たちは人間でもあることを知っています。
最愛の人が清掃車に放り込まれる瞬間目の当たり
です。想像力の高い感情移入するタイプにはトラウマものです。スプラッタなシーンが映るわけではないですけどね。
この辺から感受性の高い人には実は地雷アニメだと発覚し始めます。父親がいなくなったため、女手一つ、貯金もそんなに多くない。子供たちは特別過ぎるため、誰にも相談できないという八方ふさがりな状況。
ひっそりと暮らすために山奥にある村の一軒家に住みながら、野菜を育てながらつつましく暮らし始めるんですが、畑仕事も初めてで何もわからないんですよね。
時折、ぶっきらぼうに指示をしてくる韮崎の厳しい言葉に花が素直に従っていると、結果的にそれが村の人々との交流につながっていくのが面白い。
ストーリーが半分くらいに差し掛かると、見どころでもある雪の中で家族3人が遊ぶシーンになり、やっと癒し系になるのかと思ったら、またハプニングが。
なんかもう腰砕けです。
そこから先は人間としての生き方に憧れる雪と、自然に憧れる雨の対比が描かれていき、決断することになります。
普通のファミリー系アニメであれば、ここで『絆』を描くんでしょうが、このアニメは『絆』ではなく、『許容』、または『赦し』を描いているとしか思えませんでした。
ヒューマンドラマとネイチャードラマを一緒に観ているような感覚ですが、最近の狙い過ぎ感のあるアニメよりも観る価値のある作品だし、映像的にも美しいではないですが、綺麗だと思います。
ただ、前述の通り、想像力の高い感情移入するタイプと、母親の育児に対して厳しい人は観ない方がいいでしょう。後者は花の行動に我慢ならなくなるんだとか。難しいところだと思いますけどね。
オススメ度(10段階)……★★★★★★★
(とても【ハウルの動く城】を制作中止にされた人の作品とは思えないクオリティの高い作品。)
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